タタミ王国物語


 − 転校生 −

今日も元気よくかおりが教室に入ってきた。

「オモテ君、ウラン君おはよう〜」

二人の席を通り過ぎてウランの前の席に着いた。

「おはよう、かおりちゃん。」

「オモテ君どうしたの?なんだかうれしそうね。」

「今日は転校生が来るんだって!どんな奴かなと思ってさ。」

ウランが横目で見ながら言った。

「兄ちゃんは、一緒に遊ぶ仲間を増やしたいんだ。兄ちゃんみたいに外で遊びまわるような子じゃなくて、大人しい子かもしれないよ。」

オモテもウランもとても楽しみにしているようだった。

「へ〜私は女の子がいいな〜一緒に手作りのケーキを焼いて、そのケーキを食べながらたくさんお話をしたいな!」

「えっ!かおりちゃんがケーキ焼くの?」

「ウラン君何か問題でもあるかしら!」

かおりが強い口調で言うと

「やぁ〜それは…」

すると、腰のきゅっと締まった女性が入ってきた。
ウランは助かったと思った。

「は〜ぃ、皆さん席に着いて〜おしゃべりはおしまいよ〜」

「ザクイ先生が来たぞ!」

皆あわてて席に着き前を向いた。

「皆さんおはようございます〜。
今日は新しいおともだちを紹介しますぅ〜中に入ってらっしゃい」

全員一成に注目した。



「えっと…」

教室も見回す少年は、緑色の顔で背中に
ギターを背負っていた。

「はじめまして。僕の名前は“ピース”。父さんの仕事の都合でタタミ王国に住むことになったんだ。得意なことはギターを弾く事で、皆と一緒に歌うのを楽しみにしてきたんだ!よろしくね。」


「まあ〜素敵!ピース君はギターが得意なのね。これからは皆で歌がうたえるわね、楽しみだわ〜」

教室中から「よろしく」の声が飛び交った。

「それじゃ〜席は…クロス君の隣ね!」

ザクイ先生はピースが席に着くのを確認して、みんな顔を見回した。

「それでは、今日からピース君も一緒にお勉強していくので皆仲良くしましょうね〜」

「はーい!」



カーン、カーン、カーン…

休み時間の鐘が鳴り響いた。
鐘の音が成り終わる前にガタガタと皆がピースの周りに集まってきた。

「僕の名前はウランよろしくね。今日は一緒に帰えらない?」

「ピース君は何処に住んでるの?」

「ピース君はいつもどんな遊びしてるの?」

いきなりの質問攻めにピースは驚いていると

「皆、順番に聞かないと、答えにくいじゃない。私かおりよよろしくね!」

「僕はオモテ、ウランと双子の兄貴なんだ。」

ピースがニッコリ笑って言った。
「よろしくね。僕の家は…雑貨のナンデモ屋の近くだよ。」

「僕もそうだよ、ウラン近くでよかったな。ウランは転校生の君に会えるのとても楽しみにしてたんだぜ〜」

「なんだよ兄ちゃんこそ楽しみにしてたくせに!」

「あははは…仲いいんだね。僕は一人っ子だから兄弟って羨ましいよ。
僕、皆に会うまでドキドキしてたんだ。なんだか皆となら楽しくやれそうだよ。」

するとピースがギターを弾き始めた。〜♪
ギターの綺麗な音色に聴き入った。


かおりはうれしそうに食後のハーブティーを飲んでいた。
「今日はね、ピースくんという新しい友達が増えたのよ!明日からまた楽しみが増えたわ。」

「いいことじゃ〜初めての土地で大変なこともあるじゃろ。かおりも力になってあげるとよい。」

「もちろんよターミーおじさん。」

「友達、友達だけじゃないみんな出会った人たちは運命的で、きっとどこかでつながっている。だから出会ったみんなを大切にするんじゃよ。」





ご意見・ご感想はこちらまで

mail:omosiro★kudou-koumuten.net

※)★を@に変更してください



〜タタミ王国物語〜
第一章
〜タタミ王国物語〜
第二章

古い塔の中

古い塔の話

アニーとジャック

いつもの朝…?

白い猫とウサギ

白いハト

放課後公園で…

転校生

今年のクリスマスは…

あの日から7年

誕 生

序 章

タタミ王国物語 top
工藤工務店 TOP
Copyright(C) 2011 Kudou All Rights Reserved